はじめに

最初の開催から7年、100回目を迎える記念すべき「高専カンファレンス100 in 東京」に参加してきました。

私が最後に高専カンファレンスに参加したのはちょうど038tokyoの時で、あれから約4年が経過しようとしているわけですが、 「4年という月日が経つのは早いなぁ…そういえば『ブログを書くまでが高専カンファレンス』と言われているのにその時の記事を全然書いていなかったなぁ…」 などと独り言ちながら、この記事を書いています。

今回は書き忘れた2012年の新春カンファのことにも触れながら100カンファを振り返ってみたいと思います。

私と高専カンファレンス

私が初めて高専カンファレンスに関わったのは036sendaiの時でした((参加していた某女史に付けられたネズミ耳をつけているのが私。それにしても今見返してみるとカオスな写真だな…))。当時私は高専4年生で、(幾つかの開催をUstream経由で見ていたとはいえ)初参加にして副実行委員長という上から2番目の大役を仰せつかり、カミカミなMCと超過したLTで先輩方にチクリとお小言を頂きながらなんとか運営業務をこなしていたことを今でも憶えています。

2回目はそれからおよそ3ヶ月後の038tokyo(いわゆる「新春カンファ」「大東京」)。ここで高専カンファレンスの大御所である諸先輩方や多くの高専クラスタのフォロワーとリアルに対面したんでしたね。そう、今回の100カンファの立役者、なっちゃん(@marin72_com)を始めとする後輩たちと会ったのもこの時でした。

もう100回目…だと?

それから私は高専を卒業して大学に編入し、そして大学院に…というルートをたどり、高専カンファのことも、MLで時折動きを見るだけですっかり疎遠になっていました。

そして新春カンファから3年半ほど経ったある日、なっちゃんが投稿した100カンファの開催宣言のメールを見てまた参加したくなり、登録が開始されるとほぼ同時に参加登録をしました。 そして「どうせ行くなら何か発表しよう」と思い、諸々の予定を片付けながら資料作成とネタの目処が立ったところで複数トラック発表にも講演者として登録をさせていただいた次第であります。

4年という月日が生んだ「変化」

今回のカンファレンスに参加して最も感じたのは「変化」でした。

1つ目は「世代の変化」。ちょうど現役世代と新春カンファを知っている世代の人数がおよそ半々だったようで、懐かしい顔から新たに知った子まで、幅広い世代の高専クラスタと触れ合う場になっていたと思います。そういえば、100カンファのコアスタッフも新春カンファ当時は高専2年生で、今は首都圏勤務とか大学生ですもんね。

2つ目は「参加者層の変化」。以前はほぼ全員が高専生で「一般の人も来てほしいね」なんてことをよく話題にしていたように記憶していましたが、今回は比較的多くの一般の方(高専卒の方に誘われて来た社会人の方や、会場となった電通大の学生)もいて、幅広い層から参加者が集まっていることに驚きました。

3つ目は「企画の変化」。以前は講演やLTメインの企画が多かったですが、今回は2日間で多くの参加者が集まるということもあり、アイスブレイクのような「参加者同士が交流する企画」や私も発表した複数トラック発表のような「参加者が自由に聴きたい講演を聴きに行く」スタイルの企画があり、コミュ障少々引っ込み思案な学生が多い高専生が多くの参加者と交流できるような形式になっていてとても良いスタイルのカンファレンスだったと思いました。

私は果たして成長していたのだろうか?

過去のカンファでも、私は何かしら発表という形で参加をしていました(036ではLT、038ではふるコン)。そして今回は先述の通り複数トラック発表の1セッションという、今までとは違った比較的長い発表枠でお話をすることにしました。

新春カンファからの4年の間に大学に編入学して、学内のロボット開発プロジェクトに(友人からの誘いで)ジョインし、その時からRoombaをハックして開発するロボットのベースにするということをしていました。その流れが今の研究にも波及していて((そのプロジェクトは学内のロボットセンター主催で、今のボスはセンターの構成員で私のことも知っていたという流れがある))、結果的に大学の編入後は彼女といる時間よりもRoombaといた時間の方が長いということになっていたわけです。彼女居たことないけど。

まぁそんな前置きはさておき、結果的に大学編入から今までやってきたことで一番高専カンファ向きな話題ってことで選んだのがRoomba Hackの話でした。

発表は相変わらず原稿なしぶっつけ本番みたいなスタイルなのでカミカミでネタ要素も少ないので反応が怖かったですが、思いの外好評だったようでとても嬉しかったです。

余談ですが、実は資料中に載せているルンバの画像は私物ではなく研究室の資材でした。そこでボスに許可を取るべくメールをしたところ「むしろ大学と研究室の宣伝もしてきて!」とのお言葉を頂いたので、このスライドには載せていない私の今の研究の話をちらっとしたところ、それに興味を持った学生もいて、研究のモチベーションがちょっと上がりました。

 みんな、夢を(抱いて|実現するために)頑張ってる

100カンファのテーマ名(コンセプト)、そして「夢これ」登壇者の発表者の話を聞いていても思ったことは、「みんな夢を実現させるために頑張ってるんだな」ということでした。

正直な話、今までの自分は夢という言葉が嫌いでした。現実を見ているならば夢という単語を出さずとも「目標」としてそれを示せばいいのに、なぜ根拠もないのに漠然とそれを抱き、あるいはそれを持つことを強制するような空気があるのだろうか、と。

その考え方が変わってきた理由が、夢っていうのは目標の前段階で、本当に願望とかそういう類のものでもいいんだな、と思えるようになったから。夢を持っているからこそ、いつか自分が成長したり、あるいは機が熟した時に目標として落とし込んで実現できるというフローが組めると考えると、夢を持つことってやっぱり大事だなと思えるようになりました(それを持つことや話すことを強いられるのは相変わらず嫌ですが)。

今回のカンファは、夢を実現した人と今必死にそれを実現させようと頑張っている人たちが集い、語らい、そしてまた新たな夢を抱く場になっていたのではないかと思います。

上の写真にもちらっと載っていますが、私にも実は夢があるんです。今、どうやったらそうなれるのかも、どういう風に載りたいのかも分かりません。でも、WIREDに載る人ってカッコいいと思うし、世界に何らかの形で―エンジニアリングでも、デザインでも、経営でも、サービスでも―名を残して人生を終えたい、そういう思いで私の「夢」を綴りました。いつかこれが「目標」になる日が来るよう、ものづくりに携わっていきたいと思います。

私の夢も、高専カンファレンスに参加した皆さんの夢も、叶うといいですね。そして叶うように頑張っていきたいなと思った2日間でした。

さいごに

高専カンファレンスのスタートが2008年でちょうど私が入学したと同時で、その時のスタイルは分かりません。でも、少なくとも同規模開催の新春カンファと比較しても、高専カンファレンスが大きく変化したと感じた2日間でした。

そして、2012年当時は可愛かった後輩たちが100カンファではスタッフとして頼もしく成長している姿を見て、きっと高専カンファレンスはこれからもずっと続いていくんだろうな、続いていってほしいなと思いました。今回のカンファは首都圏開催であることのメリットを最大限に活用できた一つの完成形と言えるのではないかなと思います。

運営スタッフの連携が密でそれぞれの仕事を全うする姿も参加者には伝わってきました。私がカンファレンスではない別のイベント運営に携わっていた時に感じたことですが、メンバー間の連携が取れないとイベント運営が困難になってしまい、参加者に迷惑をかけてしまいかねません。しかし、今回のカンファレンスは隅々まで配慮が行き届いており、不満に感じる点がありませんでした。スタッフの皆さんの仕事ぶりには頭が上がりません。

今回のカンファレンスはさまざまな変化を体感し、私自身にもいい刺激を受けました。なっちゃんを筆頭とする100カンファの実行委員の皆さん、私の講演を聞きに来てくれた皆さん、本当にありがとうございました。お疲れ様でした。